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オレキシン受容体拮抗薬スボレキサンド

なんてタイトルだと思われるかも知れませんが(笑)、これは、今月末発売予定の新機序睡眠薬の名称です(商品名:ベルソムラ)。

発売日も価格すらも未定なのですが、私達精神科医がものすごく期待を寄せている、全く新しいタイプの薬剤なのです。

そもそもオレキシンというのは今から15年くらいに日本人研究者が発見した脳内物質で、脳の視床下部という部位に限局して存在し、その存在部位から当初は食欲に関係しているのではと思われていたのですが(オレキシンというなまえ自体、語源的には「食欲」から来ています)、実は覚醒を持続するために必須の物質であることがわかりました。

…ということは、オレキシンの働き(覚醒の持続)を妨げる薬物が見つかれば、睡眠薬として利用出来そうじゃないですか!

そうして開発されたのがスボレキサンドなのです。従来の睡眠薬は、ほぼ全てが脳全体の活動を低下させることで睡眠を誘発していたのですが、スボレキサンドは覚醒中枢にのみ限局して効くため、当然、副作用等の問題事象が少ないと考えられます。まさに、期待大、なのです。

ただし、この薬物は、既に米国FDAでも承認こそされていますが、発売は全世界に先駆けてこの日本で開始されるため、実際の臨床での評価は全てこれから、ということになります。

さて、画期的な夢の薬剤となるか、はたまた…?

精神薬理学に携わる者として、おおいに注目致しておるところであります。

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SpeedBird

科学の進歩に携われるってのはやっぱり興奮しますよね!

by SpeedBird (2014-11-08 23:26) 

okko

安全ならば、眠れないで苦しむよりも進んで服用します。
ワタシは睡眠導入剤とやらを服用しています。
by okko (2014-11-09 15:10) 

今造ROWINGTEAM

すごい!!!
今までの睡眠薬と一味違うのか・・・
試してみたい・・・!((´ω`*))

以前送ってくれたメールへの返信、
ちゃんと届きましたか?((´ω`*))

ねね
by 今造ROWINGTEAM (2014-11-11 09:30) 

Baldhead1010

>発売は全世界に先駆けてこの日本で開始されるため

慎重な日本にしては珍しいことですね。

認知症の防止薬が待ち望まれます^^
by Baldhead1010 (2014-11-13 04:40) 

きゅんぱち

 新薬への期待が叶って患者の方々が寛解へと向かう、山が動くきっかけとなるといいですよねぇ。

 ところで、前回記事の Baldhead1010 さんに対する先生のコメント返しの中で

 >動物モデルなんてのもありますけどね、一応。

というのは興味深くて面白そうですよね。
 もっとも、面白いなんて言ってしまうと動物愛護団体からお叱りを受けてしまいそうですけど(苦笑)。
 かれこれ20ウン年以上前の(笑)ことですけど、拙方の恩師、金ピカ先生の代ゼミ本校での英語長文読解講座で、確か慶應の医学部だったか文学部だったか、う~ん出典が手元にないので出処は失念してしまいましたが、

 「自殺の社会学」

と題した英語の論文を読まされたことがあります。
 そこでは人間の集団自殺について扱っていて、比較の対照として動物でも集団自殺が観察されたという内容で金ピカ先生得意の余談が展開されたわけなんですが、ネズミが大量に川に飛び込むという単純なものから、猿が首吊りを図るという知能がないと実行できないものまで、様々な実例があるとおっしゃっていました。
 猿が集団で首吊り自殺とは、ちょっと想像できないなーって強烈に印象に残った記憶があります。
by きゅんぱち (2014-11-15 10:30) 

トモミ

*SpeedBirdさん…全くもっておっしゃる通りですね。私程度の科学者の端くれであっても、端くれには端くれなりの(笑)興奮があるのは事実だと思います。
by トモミ (2014-11-23 22:17) 

トモミ

*okkoさん…もちろんでございます。眠れないよりは遥かにマシ、酒なんか飲むよりは遥かに安全です、現状の睡眠薬でも、正しい使い方をする限りにおいては。
by トモミ (2014-11-23 22:20) 

トモミ

*ねねたん…いつも有難うございます。私も試したいです(笑)。メールも、また、書きますね!
by トモミ (2014-11-23 22:21) 

トモミ

*Baldhead1010さん…いや、本当に!「珍しい」といっては失礼なのかも知れませんが(誰に?)。認知症の薬も続々と開発は進んでいますが、本格的なブレークスルーに至るのは難しいのが現状のようです。
by トモミ (2014-11-23 22:24) 

トモミ

*きゅんぱっつぁん…医学の世界では動物モデルというのは極めて重要なのですが、精神の分野ではなかなかこれはというものはないというのが正直なところ。志ある研究者は決して諦めてはいませんが、まだまだ暗黒大陸の様相を呈しています、精神疾患の本態についての研究は!
by トモミ (2014-11-23 22:29) 

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